沖縄レポート、後半スタートです!
先頭で逃げていた外国人パックに4分弱のタイム差をあけて、それ以外の大集団が再スタートを切ります。ヤレヤレな展開な走り出しかと思いきや、いえいえ、しっかりと皆レースモードにすぐに突入!
クライミングまでに、しっかりと位置争い、が行われます。もともと脚の差で出来た、メインとそれ以外の選手が同時に再スタートしても、それはそれ、やはり上りに入れば、その差は同じく生まれます。なので、後方にいては、ペースが合いませんので実力者は前に、前に行きます。
海岸線から左折して、普久川ダムまでのクライミングに入りました。一本目と違い、追い上げではないので、余裕がありました。休憩効果もありますし。そこで、どんどん前に上がり、各選手の様子をうかがいます。ここで、やはり今日の勝負に絡むであろう有力どころは、このペースでも余裕を感じます、完全にコントロール出来ている感があります。
そこから白石さん含む3名がスルスルと抜け出していきます。そのまま差は開いていきます。自分もと思い、そこへと向かいますが、なかなかどうしてペースが思ったように上がりません。その”思った”、というのはプロ時代の感覚がまだ残っていて、このパワーならもっと楽に出せるはず、という思いに反して、ターゲットトレーニングとは離れている今の自分では思うようなパワーが出せるはずも無く、追い込んでいは行けますが、ペースが上がらないのです。
しっかりと、目的におうじた、想定負荷をターゲットとしたトレーニングを行う重要性を身をもって再確認しました。が、今の自分で出来る事をやるということ、沖縄の本気の走りを見る事、それが今回の参戦の目的なので、追い込み続けます。
まわりは結構重いギアをごりごり踏んでいるけど、このスピードだったら、もう少し軽いギアで回した方が、後々の負担が少ないのに、などと半分冷静にクルクルと回していくと、
白石さんをキャッチして、もう少しというところで、下りに入ります。
そこでの下りは、一本目は普段の習慣からどうしてもキープレフトな走りで、左車線によってしまいましたが、2本目は、しっかりと反対車線も使って、ラインを一杯にとりハイペースを維持します。集団フロントで、補給所を通過し、しっかりとボトルを受け取り、かけ水も行い、脚、体を冷却します。
右折、そしてさらに下ります。はーキツいけどこのままのペースでいってくれれば、と思い前を回していきます。
そして、安波の上りに入りました。ここからはアップダウンの連続です。その入り口で雌雄が決しました。トップ選手達はするするとペースが上り、あっという間に縦に伸びていきます。うーうーとうなっても、自分の体を持ち上げるパワーはそれ以上はでませんでした、みるみる遅れていきます。まあ、まだ前の方だし、大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせて、走りますが、その最初の程長い上りを終えたら、集団は崩壊して、選手が転々としてしまいました。
そこからのアップダウンで、一人、二人と合流して固まり、集団となって追います。遅れてしまったので、まずは先頭手段への復帰を、と、意志ある人たち、シルベスト、オーベスト、イナーメとイケてるメンバーで回していき、レースだけど、気持ちのよい感じがします。さすがに意識の高いアマチュアトップレベルですから、みなさん。
しかし、追えども、追えども、追いつきません。高江を過ぎ、いくつかの前走者を抜きますが、国際女子だったり、高校生だったり、と見えては追い越し、がっかり、を繰り返します。
どんだけはなれたんだよ〜と嘆きたくなってきた頃、見慣れたジャージを含む集団がの上りかえしを先行しています。おお!みえた、あれだ、どのぼりでどんどんペースを上げて、差を詰めていきます。自分のいた集団から抜け出すような形で先行して集団を追います、追います、そして追いつきました!ふー
すこし後方で休んでいると、ほどなく後方集団が合流、それなりの規模での集団が形成されました。話を聞くと、これが先頭追走集団で、前には強力なメンバーがいて決まりつつあるとの事。しかし、そのタイム差は1分前後、この人数で追えば追いつくはずと、思いを同じくする数名が引きます!
が、その先には源河への上りが待ち構えています。臆しているのか、備えているのか、脚をためているのか、海岸線等でのローテーションは上手く働きませんでした。ペースが上手く上がらないまま、源河の3段坂に突入です。事前のコーストレーニングで知っていましたが、疲弊した体にはやはりキツい。一人、また一人、と遅れていきます。
自分もキツい、キツい、でも、あーして、こーして、登りきれば、あとは下りと平坦と、先を見て、ここで、頑張っておかなければ、と踏ん張ります。
最初の上りを登りきると、やや平坦、また登り、やや下りでヤレヤレかと思わせて、もう一回登ります!まさしく、ぽろぽろと集団は小さくなっていきます。自分もウンウンうなっていましたが、その平坦と下りの区間で、上手くスピードにのせて、ケイデンスを高く保つ事で、なんとか集団内で登りきりました。しかし、先頭との差は1分10秒、とさらに開いてしまったのです。
そこからの下りはものすごく速度が乗り、あっという間に70km/hをこえ、80km/hに迫ります(後日、ポラールのデータを見たら、最高速77km/hでした)。ウヒョー!というような直線でビュンビュン下るとあっという間に海岸線です。
皆、疲労が濃く、やれやれ一服のような空気が流れます。もう先頭を追う感じではありませんでした。それぞれのゴールを目指す感じです。橋の登り、都市部に入る前の丘、そこでもキツそうな選手が減っていきます。高校生も集団に合流して、彼らなりのレースがあるのでそうが、集団内が不安定で動きもこわく、ちょっとナーバスになります。
このままゴールスプリントなんてちょっと、と思い、名護の直線でアタックのように飛び出した外国選手を追います!が、ほどなく失速。。。もう伸びが全くありません、が、集団に入って、もう一度がんばります。皆一丸となって、左コーナーを抜け、最後の直線へ!
900m、800mと道路脇の残り距離がどんどん縮まります、500mならば一気に行けるはず!と右にラインをふって、最後の力を振り絞り、ロングスパート!グングン加速する、イメージですが、もう思ったようなスピードには乗る事はありませんでした。アーともウーともいえぬ声が出てしまうほど、遠い、遠い、ゴールラインが、200m、が100mが。
200kmを走り、最後のゴールライン、最後は集団に追い越されての通過、でも悔いは無く、
やれるだけやった、という達成が大きかったです。
正直、引退してまだパフォーマンスが高いうちに優勝してやろう、なんて当初は考えていましたが、8月以降、ライフスタイルが激変して、沖縄にむけたプランされたトレーニングは全く出来ずに、やれば伸びる、やらねば落ちる、というトレーニングの原則通りに、トップパフォーマンスは落ち、長年の下地、エンデュランスベースのみで走れた、という感じでしたので、お粗末ではありましたが、それでも、ここを走りきった、ということは満足です。
それには、ロケーションの良さ、コースのタフさ、そして一緒に競い合える高いモチベーションを持った全国の同じ意志を持つ者、この最高の組み合わせが、毎年多くの人を魅きつけ、年間を通して、この日のための努力に繫がっているのだと感じました。
優勝者の努力は称えられてしかるべきです、2位の人も、3位の人も変わらぬ能力を持っていたでしょう。そして、レースに挑み、自分に挑んだ人全ても、能力を高める努力をし、その日その時できうる最大努力を払った人は皆勝者である、と。
レースに勝つ、自分に勝つ、そのためのツールドおきなわ市民200km。
最高でした、来年も行きます、そのときの出来うる努力を払って。