2012年11月12日月曜日

バイクとランニングの両立

ご質問を頂きました。
内容はバイクとランニングのトレーニングの両立、ということですね。

「いつも楽しくFBを拝見させて頂いております。
また日々 BTBバイシクルトレーニングブック とにらめっこし勉強させております。
最近は竹谷さんの影響(?)かクロストレーニングに興味が湧いてきました。

ポラールもCS400からRCX5に買い替えランニングなんかもイッチョ前に始めました。

私は毎年5月参加のロングライドイベント、ここでタイムを毎年縮めて行くのが生き甲斐になっていると同時にトレーニングの焦点をここに絞っています。

トレーニングはBTBの「トレーニングプランの組み立て例」のCさんのトレーニングプランを参考(ほとんどコピー)させて頂き実行、
そして大幅にタイム(順位)が上がっています。

ただ、そこでちょっと困った事が…来年の3月位にはフルマラソンに参加して絶対に完走を遂げたいと思っています。タイムは4時間30分切りを目標とそんなに高くは設定していません。

ここで質問ですが、私は、そのBTBのCさんの例をキッチリ仕事の合間で時間を調整してハメています。

Q1、
このプランの中にどうやってランニングのトレーニングプランを組んで行けば両立出来るのでしょうか?
Q2、
また、ポラールパーソナルトレーナーのエンデュランスプログラムを上手に生かして組めるのでしょうか?
Q3、
そして、RCX5のゾーンオプティマイザーは素晴らしい機能だと思うので是非活用したいのですが…

何か良い対策がありましたらご指導ください。大変お忙しいのは重々承知しております。お手すきの時にでもご返答頂けたら幸いです。
どうかよろしくお願い致します。」

BTBがトレーニングの参考になり、そして成果に表れているとのこと、
嬉しいコメントをありがとうございます!


さて、まずはQ1のお答えを。

自転車のトレーニングプランへのランニングをどうやって取り組んでいくかですが、
基本的にエネルギーの代謝に関していえば、バイクもランも変わりありません。

その点ではどちらを行なっても、ランでもバイクのためのトレーニングに、
バイクもランのためのトレーニングになるといえます。
なので、そこに関して置き換えは可能です。
どの強度、代謝機構をトレーニングするかを定めれば、いいでしょう。


10時間超のロングライドでタイムを更新しているのであれば、
フルマラソン4時間30分で走り切るためのエネルギー供給、全身持久力は
すでに持ちあわえせていると考えます。


では、マラソン4時間30分切りのためにはBTBで言うところの”制限要素”を

考えてみましょう。

エネルギーの供給はできても、神経系、運動器、動作系のスキル、これらは
まだ持ちあわせていません。
これらを鍛えていくことを主眼に考えます。


具体的に言うと、バイクでのLSDをランに置き換えると良いかと思います。

ただし、短時間から始める必要があります。

まずは、ゾーン2でゆっくりペースで走ること、そのなかでランニングの
適切なフォームと足運びを意識して身につけるようにしましょう。

マラソンは来年の3月ということで十分時間はあります、
怪我をしないように焦らずじっくりいきましょう。
1週間は30分程度に抑えて、その後は、10分単位程度で徐々に増やしていきます。
2ヶ月立った頃には2時間程度連続して走れるようになるかと思います。
この時もスピードは気にせずに、低強度で、適切なフォームと足運びを
持続出来るようになることが目的です。

次の1ヶ月も基本的に時間を少しづつ増やしていくようにします。
ただし、筋疲労が高いので、間隔を詰めて続けないで、バイクと併用して行きましょう。
週2~3回も走れれば十分でしょう。

そうしていれば、運動器、脚の筋肉、腱もランの衝撃というバイクにない負荷に耐えられるように
順応、発達してきているはず。

レース前1ヶ月で、徐々にスピードを上げていきます。
おおむね1時間ならば、ゾーン3でキロ6分では走れるようにしましょう。

1キロあたり6分20秒で4時間30分切りは出来ますので、
そのペースを最低限として走れるように余裕を持てるように出来るようにしましょう。

マラソン後半のエネルギーの枯渇はペース配分と補給で防げますが、
筋疲労によるストライドの低下は防ぎ辛いので、イメージとして、
前半は平均ペースよりも少し速め、中盤は平均ペース維持、
後半は平均ペースをやや下回ってもOK、という展開にしたいですね。



Q2 のご質問、ポラールパーソナルトレーナーのエンデュランスプログラムの活用です。
これは、質問に応じて、トレーニングレベルを設定することで、サイクリング、マラソンに向けた
持久トレーニングプランを提案してれる機能です。

トレーニングのプランを自分で作成出来ない方のガイドラインとしてとても、有効です。
もちろんコレ通りに100%実行できなければならないわけではく、出来る範囲で
取り組んでいけばいいでしょう。

いつのタイミングで、どれくらいの時間、どれくらいの強度で、どんなメニューを行うのか、
参考になると思います。

Q3のRCX5のゾーンオプティマイザーの活用では、こちらが参考になるでしょうか。

http://www.polar.co.jp/ja/products/maximize_performance/running_multisport/RCX5


適正な強度でのトレーニングをサポートしてくれる機能がゾーンオプティマイザーです。
「この機能は、常に適正な強度でトレーニングすることをサポートします。
どの程度ハードにトレーニングすべきかは重要な課題です。
ゾーンオプティマイザー機 能を使えば、現時点の身体の生理学的状態を考慮し
5つの心拍トレーニングゾーンを自動的に調整。
その日の体調に合ったトレーニング効果を得ることができます。」

ウォーミングアップの時に、指示に従い段階的に強度を上げていくことで、
その反応を見て、身体のコンデイションを判断し、無理のない強度調整をしてくれます。

信号や地形に左右されるバイクよりも、指示通りにアップできるランで
効果的に使いやすい機能ですから、是非お試し下さい。


バイクのオフトレーニングにランニングをすることは、マンネリを防ぎ新鮮に取り組めますし、
適切なフォームで走れば体幹を鍛えるのにとても良いと思います。

これからの季節は寒いので、ウォーミングアップを十分とり、関節の故障をしないように
注意しながら、ぜひ両立してみてくださいね!