先週末は、宮城県南三陸町歌津の田束山で開催されました
第19回たつがねMTB大会に参加して来ました。
311の記憶に残る南三陸町、会場田束山への入り口の国道沿いには
多くの皆さんの善意に感謝の意を表すメッセージとともに折り鶴がありました。
http://minamisanriku-now.blogspot.jp/2013/03/blog-post_7.html
震災犠牲者の鎮魂と地域の交流が続くことを願い、始まったとのこと。
様々な方々の思いが去来します。
国道から急斜面の林道を登りつめると会場である田束山山頂につきます。
当日はあいにく晴れ予報もかなわず、一日霧に包まれ冷気に体が冷やされる
寒い一日になりました、が、
MTBを乗れば暑くなるほどにエキサイティングなコースでした。
たつがねMTBは、2011年は震災で開催出来なくなりましたが、昨年2012年は
見事に復活!
大会に係る地元の皆さんのやる気、情熱、行動力には頭が下がります。
絶望的な状況のなかでも、なにか進む先を求めて日々を生きられる強さをもっていればこそ
だとも感じます。
笑顔に見え隠れする強さ、それを皆さん持ってました。
その地元の皆さんをサポートするボランティアのみなさん、歌津MTBわんぱくドリーム、
東北をMTBで繋がり盛り上げる、東北MTBネットワーク、他にも各個々人が
しっかりと出来る事をできるだけ、やった甲斐あってのことでした。
自分は昨年は参加できなかったので、
今年はプライベートに個人の楽しみとして参加してきました。
最新の29バイクでレースを楽しみましたが、
このたつがねMTBは20年前から開催されています。
20年前といえば、自分がMTBレースを始めた頃と重なります。
あれからイベントを継続し続ける力、素晴らしいです。
「継続は力なり」
コツコツ小さなことでも継続していけば、やがていつかは大きな力となり、
大きなことを成し遂げる、といわれますが、
小さなことを継続するためには大きな力、強い意志、能力がなければ出来ない、
とも自分は考えています。
地元にの方々にはこの気質を持っている方が多いのではないでしょうか。
レースの方は未明まで激しく降り続いた雨、先を見通せないほどの霧に包まれた中でも、
東北はもとより関西や北陸からも集まったとても多くの参加者、マウンテンバイカーたちは、
難しい状況下でも笑顔を絶やさず思い思いの全力を尽くして走っていました。
自分も、MTBライディングを楽しめる絶好のコースを、久々のレースでしたが思いっきり
楽しく力走しました。
バイクの慣性をいかせる絶妙のアップダウン、ホイールが転がり続ける気持ちのよいアールで
描かれたコーナー、など極めて質の高いレースコースであり、速く走るには上手くないと難しいし、
初心者でもそれなりに楽しめると、イベントコースとして最高でした。
こちらはジンギスカップでお馴染みのオンボードカメラ映像がアップされています。
前半3~5分くらいは自分の走行シーンが映しだされていて、コースのジェットコースター的な
アップダウン、コーナー、トラクションコントロール、それに伴うボディアクションなど
ご覧いただけます。
レースは1時間12分の全力走になり、高強度インターバルの繰り返しとなる
MTBならではのキツさがありますが、コースの妙もあり
気持ちよく走り優勝、そして優勝賞金も頂きました!
寄付も考えましたが、招待選手ではなかったので、気持ちよく頂戴しました。
走り終えたバイクはこんな感じです。
上部はきれいですが、足回りはドロの付着が激しいです。
コースの大部分は水はけもよく問題なかったですが、
一部マッド区間があり、その土がディレーラー周り、フレームに堆積していました。
このバイクの泥を落とすために洗っていると、冷気の塊が吹き付けてきて
体が急速に冷やされてきました、寒い。。。
体感温度は、0度以下でした。まるで冷凍倉庫に入っているかのようでした。
ちなみに下山しても4度と道路脇の気温計が示していましたよ。
そんな冷えた体に、嬉しい振る舞いが!
南三陸名産のわかめをたっぷりと使った味噌汁です。
熱々を山盛り注いでくれます。
地のものとタップリと気持ちのこもった暖かいわかめ汁を頂き、
このおかげでとても温まりました。
イベントの方は閉会式まで多くの方が残り、楽しく盛り上がり幕を下ろしました。
来年は20回記念大会、自分もまた時間の都合をつけてぜひまた参加したいところです。
その後は、南三陸町の中心部を訪れました。
津波に飲み込まれる瞬間、その後の無残な姿を映像で何度も目にしていました。
2年たった今は多くの方々の努力により、ここまできました。
とはいえ、復興、とはまだまだ遠いと感じざるを得ませんでした。
避難放送を最期まで続けて、津波に飲み込まれてしまった悲劇の
災害庁舎はその骨組みだけが残されていました。
その痛々しい姿から、あの恐怖と苦痛を思い出されることもあるでしょう。
災害の記憶を留める、今後の教訓に遺す、
また、自分もそうですが、多くの方がここに足を運ぶことで、
記憶を共有する、あるいは、その方々のもたらす経済効果を
地元に残せる、という形で存在しているのでしょう。
負けるものか、と言う思いを発散しているようにも見えました。
実際にはまだまだ本格的な復興はまだまだ、といえるかもしれません。
しかし、それでも、前に進む強い人達の南三陸です。
さんさん商店街という名前の仮設商店街では、
あいにくの天気でしたが、地の物をおみやげに求めたり
ちょうどシーズンがはじまった海の幸、うに丼を求めて
人が集まっていました。
自分もその一人です。
あいにく、ここではうに丼は売り切れ、準備中で頂けなかったので、
キラキラ☆うに丼、という地元ブランドプロモーションのパンフレットを貰い、
魚屋さんのやっている食堂に足を運びました。
そこでは、とれたての新鮮なうにを山盛りに盛った、うに丼が迎えてくれました。
ご主人のお話では、まだシーズン始まったばかりで、
本当に美味しいのは7,8月頃だな、ということでしたが、
いえいえ、今でも十二分に美味しかったです!
海の香、ほのかな若さを感じさせる味わいは、
ミョウバンによる苦くくさみのあるうにとは天と地ほどの違いで、
うには飲み物、といえる程に濃厚かつさわやかな味わいで
ごくごくいけるほどです。
後味もよく、2杯は軽くいけそうですが、
おみやげを求めて席を立ちました。
今回頂いた賞金は、南三陸で全額使うと決めていたので、
あるいは、もらえなくても豪遊するくらいの気持ちで、いろいろと
使いたいと思っていたので、真剣にお土産選びを楽しみました。
この魚やさん帰ってから調べてみると、「株式会社ヤマウチ 山内水産」といい、
ネット販売やらブログなどでの情報発信、そして様々な活動を熱心にやっているようです。
こちらのご主人は、じつは社長さんだったようで、この方のオススメで、
お店のイチオシの、いくらと塩辛、そして宮城県限定販売のウイスキーを購入しました。
どちらも口にしましたが、とても旨い!
いくらと塩辛は混じりっけなしの新鮮な素材のもつ本物の味が楽しめます。
こちらの直販サイトから購入出来ますので、とてもオススメですよ~
山内鮮魚店
http://www.yamauchi-f.com/original4.html
ウイスキーも社長がこれは旨いぞ、と言っていてストレートで味わったところ、
コクと甘みと余韻のバランスがよくシンプルだけど、味わい深いです。
こちらの社長は笑顔で応対、いろいろと勧めてくれましたが、その瞳に隠されてた
決意と強さを感じとるのは容易でした。
偶然立ち寄った、魚屋さんでしたが、行ってよかったです。
力強く前向きに進んでいる人々が生きる町、南三陸町、
自分はMTBを楽しみに行っただけでしたが、
強い思いをいろいろな人から分けてもらった感じがします。
復興をするのは、彼の地に住む方々ですが、その方々の思いを汲み、
自分自身の好きな自転車、食などを通じて、何らかの関わりを持ち、
一助とはいえないまでも、幾ばくかの気持ちを渡し、そして
強さを分け与えてもらう、自分は今後もそんな関わりを持てたらと思っています。