いよいよ明日から野辺山高原シクロクロスです。
そのために乗り始めたシクロクロスバイクはこちら クラックス コンプ ディスク です。
この実車はサンプルのスラムエイペックス仕様でして、
日本での仕様はシマノ ティアグラ 10速 となります。
ドロ、落車など、バイク及びパーツの消耗のあるシクロクロスでは入手が容易いシマノパーツが嬉しいところですね。
今回はその差異のない共通部分、といっっても変速のみですが、を中心に基礎的な解説していきます。
こちら、レギュレーション改正で使用可能となったディスクブレーキを早速スペックインしています。
ブレーキ自体に圧倒的な制動力を求めるわけではありませんが、泥や水分がリムやシューに付着すると、タッチが安定せずに、コーナリング進入時のブレーキングが乱れて、コントロールが難しくなり、結果的にコーナリングのスピードが落ちてしまいます。
ディスクブレーキであればその効きは安定していますので、確実なブレーキングでコーナリングを開始できるので、安心確実に、そして速くコーナーを立ち上がれのがる大きなメリットになりますね。
そして、実用上はこちらのほうがメリットが高いであろう、このクリアランスの大きさ!
マッドが常にありえるシクロクロスでは、泥づまりがここカンチブレーキ周辺に起こります。
ワイヤーの千鳥などに草も絡まってしまっては、そこに泥が山積みになり、しまいにはホイールが回らなくなることもありえます。
そしてその滞積した泥の重量のなんと重たいことか!
ディスクブレーキにする重量増を遥かに越えるほどの重さになることもあり得るのです。
こにフォークは、ディスクブレーキの応力負担にも対応したしっかりとした肩をしていて、ブレーキでのビビリやヨレ等、オンロードでのハードブレーキでも微塵も感じさせません。
カンチであれば全くオーバースペックとも思える信頼感です。
その堅牢さのままに大きなクリアランスを確保しているので、太めのタイヤを履いても泥がつまらぬようになっているのが最高です!
そして、肝心の走行性能も、路面の情報は分かりやすく伝えてきてくれて、路面状況、タイヤのグリプやヨレ具合も、手に取るように分かります。
そのうえ、振動吸収もさすがカーボンの特性か、昔のカチコチでガツンガツンくる感じはまるでなく、固めのリムとスポークであるディスク仕様ではありますが、荒れた路面でも細かな振動やストレスなく走れます。
路面追従性もよく、コーナーでも前輪が粘ってくれる感じすらします。
その走行感、グリップにはこのタイヤ性能も大きそうです。
トリガー という新しいクロスタイヤです。
この仕様では、スポーツという普及グレードなのですが、トレッドパターンが良く、マッドでも、砂利でも、かわいた砂地でも、あるいは草地でも、トラクション、ブレーキング、そしてコーナリングも良好でした。
実際には5.0気圧でのマッド仕様でも、当然滑りやすいですが、それでも走りをコントロールしやすかったのはトレッドパターンの秀逸さでしょうか。
3.5~3.8気圧程度まで落とすと、そのグリップはそうとう高まります。サイドグリップも、グリっとしたグリップ感が、グリグリグリっと粘ってくれますので、コーナーでもからない安心してリーンインでもアウトでも、前輪荷重でもリア加重でも安心して曲がれます。
この トリガー はチューブラータイヤもラインナップしています。
レースで考えるならば、このタイヤをオールコンディションで履いておけば間違いないでしょう。
スペアに、ドライやマッドを履いて使い回しておけば、張り替えるためも減らせますし。
ハンドルもしシクロクロス専用設計のものが奢られています。
短いリーチは当然のこと、ブラケットをややしゃくりあげても大丈夫な浅いドロップとなめらかなアールはオフロードでのコントロール性を十分に高めてくれます。
そのうえバーテープもマッドとレインに強い、耐候性のある素材を使用していることも流石の一言。
洗車のしやすさもそうですが、泥がのっても濡れてもハンドルグリップが滑りづらくて強く握らなくて済むのでコントロールしやすいです。
サドルはMTBで定評と実績のあるオフロードでの定番、フェノム。前輪荷重、後輪荷重と前後にボディコントロールをするクロスでは、動きやすいこのサドルが重宝します。
大腿やレーパンが引っかかりにくいカドを削ぎ落した設計であることも、前後に加えて上下の動きがしやすいです。
OS30採用によりペダリングに関わるセクションは剛性十分で、やわだなと感じることは微塵もないでしょう。
クランクはロードと同じ長さに設定されています。
ペダルは自分が長年愛用しているクランクブラザースのエッグビーターを装着、ドロづまりに対して最強であり、キャッチアンドリリースも最高に簡単、そしてペア174gと大手メーカーのペダルの約半分と超軽量でもあります!
11(イレブン) というモデルに進化してから軸周りの耐久性も上がっていますので、メンテナンスの頻度も大幅に減っています。というよりもほぼノーメンテに近いかもしれません。
リアのディスクブレーキ部も、補強がされていて、カチッとしたタッチを保ってくれます。
そのうえリアの反応性もよく、OSBBと相まって加速がとてもシャキシャキして気持ちがいいです。
突き上げもアルミという先入観からは信じられないほどに、マイルドでレースであれば不快と感じるレベルでは無いです。
それよりもトラクションの良さと、あとはボディアクションにたいする反応の良さが、レースでは大きな武器になると思います。
これならばマッドなレースをウキウキ楽しみにしてしまいます、
なにせ自分だけ泥づまりから解放されて、軽い走りが約束されているのですから。
代車を用意できない、プライベーターには一つの選択肢となり得るでしょう。
さらに軽量なパーツのリリースを心待ちにしたいところですね。
フレームに目をやると、内臓のワイヤーラインがシンプルな造詣を引き立てます。
それに見合うようなデザイン、カラーリングもとても良い感じ、とても気に入っています。
その内臓ワイヤーラインはフルアウターもであり、シクロクロスではマッドでの変速性能の確保と、メンテナンス頻度を少なく保つという大きなメリットを提供しているのです。
トップチューブはヘッド周りの剛性確保から、ライダーへのストレス低減のために振動吸収性を高める扁平加工へとそれはもう文章では表せないほどの複雑な加工が施されています。
そのうえ、クロスでの重要なポイントとなる、シケインを越える際のトップをもっての握りやすさ、さらに肩を入れての担ぎさすさも重要視してあります!
乗ってよし、もってよし、担いでよし、なのです。
これら細部に渡る、シクロクロスの特性を完全に昇華せたバイク設計は、乗ってみるとたしかにオフロードでの扱いやすさ、前後、左右へのバイクコントロールのしやすさに強く感じることが出来ます。
とりわけ、上下への加重抜重への反応の良さは、オフロードを走る上での非常に重要なファクターであり、このクラックスはその機敏性が際立っています。ギャップ通過時の抜重やホップのしやすさはMTBよりもダイレクトで良いのではないかと思ってしまうほどです!
もちろんコーナリングでの扱いも確実で、リーンイン、ウイズ、アウト、のコーナリングフォームを、前輪荷重、中心荷重、後輪荷重、という配分にコントロールし、それらのどの組み合わせでのコーナリングでも確かな手応えと反応できっちり曲ってくれます。
コーナリングマシンといってもいいかもしれないほどに楽しいです!
もちろん言うまでもなく、真っ直ぐ走るための安定性や路面追従性は確保していて、シクロクロスというレーススタイルには最高のバイクでしょう。
なにせ、この性能が非常に廉価に手に入るのですから、フレームから組み上げたり、スペアバイクを用意したりするにも、とても心強い。
シクロクロスでの耐久性を十分に確保することから、無理に軽量化にはしってはいませんが、それでも十分に軽いバイクに仕上がります。
以前は、シクロクロスのレースをシクロクロス”ミーティング”と称して、冬場のサイクリストの社交場、ロードレーサー、MTBレーサー、ファンサイクリストと多種多様な人が集まり、同じコースをもがいていました。
そこに行く冬の週末が待ち遠しくなるバイクです。