秋のSDA王滝、120㎞を愉しんできました!
台風直撃コースの地獄の王滝を覚悟していましたが、なんと奇跡のように尻上がりの好天となり、曇り時々雨、後真夏のような晴天となりました!
さて、今回の王滝のテーマは、大人のクルージング、余裕を持って愉しむ、でした。
」
前日のパーティでのステージトークでもお話しましたが、今回は2週間前のアイアンマン・ジャパンの疲労が完全に抜けておらず、また4週間後には世界選手権でもある、IRONMANハワイが控えていますので、無事故で怪我なくフィニッシュしたいという思いがあり、バイクもそれに合わせてチョイスしました。
130mmストロークと29ホイールの性能を活かしたトレイルを楽しみ尽くすためのバイクになり、S-Worksならばフルカーボンフレーム&ホイールで最高の軽快な走行性と、抜群のコントロール性を実現させています。
ひたすら漕いで上って漕いで、荒れた路面を下って、ハードブレーキングに高速コーナーの王滝には十二分なスペックです。
今回の余裕を持って愉しむ大人のクルージング、というテーマにはまさにドンピシャ!
そして、王滝にフィットした装備もアッセンブルされています。
これはヘッドキャップに、チェーンツールが内蔵されている、新型のオールインワンコンセプト”SWAT”の一端です。
このように取り外すと、チェーン切りになり、合わせて内臓のコネクトリンクで繋いで、チェーントラブルから復帰できるようになっています。
チェーントラブルの起こりえるトレイル、王滝には、これは超実戦的な装備です!!!
このように、ボトルケージ下部には、各種アーレンキーセットも装備されています。
これにお任せして、今回は別途ツールの持参はしませんでした。
このようにセットされています。
スペアチューブx2+パッチ、Co2ボンベx2を持ちつつ、ポンプも念の為にセットしました。
ステムは交換して、長く低くしましたが、上りを激しく漕ぎ上がるには不十分でして、深く伏せると少し腰が詰まり負担がましたので、バイクの進むリズムに合わせての一定ペースでの上っていきました。
レースバイクだと、加速して高速にして巡航しますが、穏やかなペースを一定に保つ感じです。
グリップはロングに最適なエルゴタイプに交換、これは手のひらを乗せる感じで安定するので、握力を必要とせず、上腕の疲労、ウデアガリ防止に効果的です。
ただし、向きをキチンと微調整しないと、下りのハンドリング、上りのフォームにも影響しますので注意が必要です。
タイヤはシングルトラックやバフバフのドライ路面、トレイルのオールラウンドに向いた純正タイヤからXCレース向けのレネゲードに換装、走りの軽さを狙いました。
”Control”というグレードにして、究極の軽さではなく、サイドの厚さを活かして、耐サイドカットに備えました。
結果的にはノーパンクで最高でした!
ただし、FSRのサスペンション性能に任せてガンガン下りを攻めると、ウエット路面では岩の表面でブレーキとコーナーがハイスピードで滑ることがあり、大雨の時間は少し自重しました(苦笑
ドライブトレインはフロントシングルの1x11です。
フロント32Tですが、今回のペースでしたら120kmのラストループの上りで重く感じる以外は全く問題なくこなせます。100kmならば全然大丈夫でしょう。
上りペースがもっと下がる場合は、30,28であればかなり多くの人にもこなせる様になると思います。
リアは10Tでも回り切る事がありますが、その際は足を休めるタイミングと捉えればいいです。
ロー42Tはごく一部の区間でしか使いませんが、やはり軽いギアレシオがあると安心できます。
EPIC WC のフロント34Tでは今回のコンディションでは厳しそうでしたので、良いギア構成だったと思います。
カシマコートの滑らかリアサスユニットは、オートサグという簡単セッティングが装備されていますので、前日に受け取ったバイクでもサクサクとセッティングが決まりました。
ブレインフェードは、ウエットということもあり、ややストロークをするようにしました。
ダンシングでの加速よりも、安定したグリップと挙動を優先しています。
フロントサスペンションは、上り、下り、その中間と、状況に合わせて走りながらレバーを操作していました。
ブレインフェードだったらさらに嬉しいのですが、下り性能は滑らかすぎて、岩とかありましたっけ?と思うほどに、路面をスムーズに感じさせてくれました。
サドルもトレイルモデルで、立っても座っても前後左右に動きやすいです。
腰もしっかり安定するのでペダリングも悪くはなかったのですが、レースペースで漕ぐには、サドルポジションの煮詰めが甘く、中小臀筋に張りを感じてしまいましたので、無理なくペダリングのリズムだけをキープするように走りました。
そして、合わせるシートピラーは コマンドポスト です。
内装ケーブルで見た目もスッキリ、脚に干渉せず動きやすさも抜群です!
王滝でサドルポジションを下げる必要はあるの?と、よく聞かれましたが、その効果は絶大でしたよ!
大有りです!
これが今回のポジションです。
3段階のうち、サドルを中間に下げたポジションがこちら。
荒れた路面、斜度のある漕がない下りは、全てこのサドルポジションにワンプッシュで下げて走りました。
低重心になる安定性は直線で有利ですし、腕足腰に余裕が増えることにより、バイクのコントロール性が格段に上がります!
大きな岩で弾かれても、コーナーで膨らんでも、ブレーキで滑りだしても、挙動が出てから瞬時に大きな動きでリカバリー出来ます。
また、直線で下げていると、体中の関節が緩み緊張がとれるのは、王滝ならではメリットで、これは誰にとっても大きなメリットとなるはずです!
動きも、気持ちも、体にも、余裕を与えてくれるコマンドポストは本当にオススメですよ!
一番低くするとこのようになりますが、これは本当に激坂落ちのようなDHで腹ばいや、バイクを投げ出すようなドロップで使うことになりますので、今回は使いませんでした。
大型サドルバッグを付けますから干渉することもありますしね。
バイクの合わせとしてはこんな感じで、まあ、やはり、レースポジションにはなっていない余裕アリアリで、激しくペダリングでプッシュする状態でなかったです。
こちらのレースデータを見ても、現役バリバリのレーサーがペースを作っていく展開には加わる余地はなく、体に無理ないマイペースに徹しました。
中盤過ぎまでのペースはIRONMANのバイクペースで抑えて走って、後半は夏の日差しが照りつけ熱くなってきたこともあり、ランパートの心拍ペースを保つ感じで、ハワイに向けたトレーニング的に走りました。
レースのフル装備状態はこのようになっています。
前述の装備品をサドルバッグに入れ、ペッドボトルフェンダーでバイクパンツのパッドに降り注ぐ泥水を最小限にしています。
パッドじゃりじゃりだと気持ち悪いし、擦れて痛くなることもありますので、その対策です。
前方は、フレームにマッドガード、フォークには前後にフェンダーを装備して、顔にかかる泥水を防止して、視界の確保を狙っています。
これにより、路面をしっかりみることが出来ます。
ウエアはC3Fitでサポート、さらにニューハレも必須です。
王滝では振動を受ける負担、疲労が半端ではないので、その対策です。
アンダーは通気性とサポートのよい新製品です。適度な締め付けと動きやすさの両立がいい感じ。
このメッシュの見た目も、忍者気分で好みです(笑
足と腰にはそれぞれニューハレでサポートを追加しています。
振動はコンプレッションで抑えつつ、大きな衝撃に備えるには、やはりニューハレですね。
装備は、重いものはバイクに据え付け、体には補給関係を身につけました。
バイクボトルには、パワージェルx10を装備。
TNFのトレイルラン用の動きやすく、ホールド性の高く、尚且つ腰の負担にならない装着位置となるこのバッグはとてもオススメです!
これにドリンクを2リットル、カフェイン入りパワージェルx4をフラスコに、トップスピードを4個持って走りました。
カフェイン入りは後半に摂取しています。
トップスピードは、スタートラインで直前に摂り、その後は、集中力回復を狙うタイミングでバチッと効きを体感しています。
オリゴノールも持っていましたが、レース中は飲まずに、スタート前と、フィニッシュ後に摂っています。
レース中は吸収の最大効率を計った方が結果的に体の負担が少ないので、サプリで繋ぎますが、直前の朝食はこの民宿で朝早くから用意してくれたオムスビがたまらなく効きます!w
スタートからの展開は、全くなく、ただ淡々とマイペースで走り続け、上りはキツいな~とか、雲海が眼下に広がるとお~すげーとか、ひとりごとを大声で上げつつ、下りではひゃっほーーーーと奇声を上げて、120km,6時間25分を満喫していました。
フィニッシュしたバイクはこのように、細かい砂で覆われています。
パンクも、駆動系もトラブルなく、ずっとマイペースで走り続けられました。
ストロークは130mmも無くても走れますが、プラス30mmの余裕が、体の負担を大幅に低減してくれます。
もし体が辛くてペースダウンをしてしまう場合には、こういった余裕のあるバイクのチョイスもアリですね。
余裕を持って、120km走った後にももう20km走れるくらいのペース、追い込み具合でコースを、コーナーを、石の一個一個まで愉しみます、と前述ステージトークで話していましたが、概ねそんな感じで、流石に120kmの20kmループは避けたいですが、緩斜面ならばまだまだ走れますね。
これで、エピック26、スタンプジャンパーFSR26、アルミHT29、カーボンHT29、そしてスタンプジャンパーFSR29と様々なバイクで王滝を走ってきました。
ギリギリまでプッシュしてタイムを狙うならばやはりカーボンHT29、その対極にあるのはストロークを活かしての余裕のクルージングでハードコースを愉しむ29フルサスとなるでしょう。
どのバイクがベスト、最強なのか、ではなく、どのように王滝に臨むのか、楽しみたいのか、によりそれにマッチしたバイクは人それぞれ、ということです。
オールドスクールの前後フルリジットで愉しむのも、もちろん大アリですよ!
そして、パワースポーツ御大との話の中で、来年はシクロクロスバイクで競うカテゴリーも新設したらメチャ愉しそう、なんて意気投合したりして、自分も率先して出ることになるかも(苦笑
でも、来年は王道であるS-Works EPIC で自己ベストに挑んでみたいなとも思っています~