2010年10月12日火曜日

ルーベ プロ SL3 +Di2

3連休は初日 200km+6km@富士チャレ、2日目 110km+15km@TDC、3日目 118km+15km@TDCの合計、464kmを走ってきました。

その連日の長距離ライドの相棒は 2011モデルのオールニュー ルーベ プロ SL3 です。



第一印象として、一際鮮やかなオレンジに彩られたフレームは、レーシングウエアの派手な感じではなく、綺麗なカシミアのような色合いで、どこか大人っぽさを感じさせます。
発色のいいオレンジに微妙にホワイトを混入したような色調がそう感じさせるのでしょうか。

雨の中、緑のなか、どこでも映えて、評判も良かったですね。

さて、バイクはルーベプロL3に各種カスタマイズを施した仕様でして、かねてから興味のあったシマノの誇る伝道シフティングシステム、Di2をアッセンブル、加えて足元はチューブレスタイヤとDuraホイール、と速さの追求の中にもどこか大人の余裕を感じさせるアッセンブルとなっています。




6月の世界中のプレスを対象とした発表会で、アメリカコロラドで思う存分、S-Works ルーベSL3を乗ってきていたので、その時の感触がまだ残っていますが、はたしてこのルーベプロも、S-Worksに劣らずの好印象でした。

ルーベSL3はモデルの違いによりカーボン素材の用いられ方の違いこそあれ、フレーム工法は全て最新、かつターマックで好評なSL3工法を全て取り入れて進化しています。

乗った時に、まず感じるのは、ターマックSL3と同じようなBBとリアバックのピュアで切れの良い推進です。物理的なネジレやたわみ、時間的なロスやラグを感じることなく、掛けた力に瞬時に反応して、滑らかに、スムーズにバイクが前に出ます。大径化されたチェーンステーとBBが結合された工法ゆえに、ペダリングの力は分散することなくチェーンを引っ張り、ねじれることなく正しくホイールを回す、ということから、ダイレクトに、というよりも前に進む感じがシンプルに得られます。

BB,チェーンリングの剛性も貢献していると思います。


ではターマックと変わらないじゃん、といえばそうではなくて、トータルで言えば、全くの別物です。
確かに時速35km台という常用域では、どちらも余り変わらないというのが、正直な印象。しかし、40kmを越えていくような大きなパワー、350Wあたりの感じでは、やはりターマックSL3の方がツキや伸びがいいように思われます。反面、30kmを下回るようなときでは、路面から返される余計な振動、突き上げ、ビビリが、確実に減少します(ターマックも衆知のとおりレーシングバイクとしては優秀な方ですが)。

カーボンでは抑えられない周波数のビビリを、ゼルツの大型化でシャットアウトとともに、シートステーの工法も変わり軽くよりしなやかになっています。アアクスルの突き上げ方向の衝撃を吸収すべくリジットながらも6mmストロークする設計なので、舗装路のほとんどの凸凹は均されてしまうのです。

今回は、連日の長距離ライドということで、ホイールは、オールコンディションに対応しやすいであろうチューブレスを使用しています。富士チャレのレーススピードよし、雨の一般道、山間の旧道、など空気圧で調整して(レインで6・5気圧で使用)、確実なグリップと転がりの良さを体感しました。液体シーラントも入れておいたので、パンクのリスクも減らすようにしています。

ルーベにチューブレスの組み合わせは高速ツアラーとして、走行性能と疲労低減効果を高く両立できるので一押しですが、さらにレーシングなホイールと組み合わせれば高速域の伸びをカバーしてくれるし、フレームのもつ剛性を活かして、レースに使ってもいいと思います。

ディメンションのなかで、直進安定性、という要素があります。たとえば直線道路の脇に引かれた白線を正確にずーっとまっすぐトレースできるか?トライしてみると、わりとふらふらとしてしまう方が多いのですが、このルーベの安定性は高く、ビシットと直線のトレースがしやすいはずです。真っ直ぐ走ることに神経を使わなければならないのは、長距離走行では多大な疲労に繋がりますので、これを低減してくれているというのは、疲労を抑えて結果的に平均速度を上げてくれる効果があります。

ターマックとルーベは、レースと、長距離長時間を走るエンデュランスの違いを、何から何まで正確に具現化しています。ヘッドチューブの長さの違いだけではないのです。
富士チャレで200kmを走った所要は5時間20分、ツール・ド・ちばでの3日目は118kmを休憩も入れて8時間30分、と同じ長距離でも様々です。 

長距離=長時間x速度

と表せますが、レースは長くても5時間ちょっとで終わります、しかしその速度は往々にして平均40kmに近いです。

ロングライドは、5時間以上、8~10時間、ブルベならば20時間にも及びます。速度は平均20~30kmに落ち着くかと思います。

そうして考えると、ロングライド、とりわけ出来るだけ速く、長くというエンデュランスライドでは、ルーベがベストマッチです。年間数回、ヒルクライムなどに出るのであれば、高剛性で軽量なルーべSL3はなお良いでしょう。



そして、じっくり使ってみたかったシマノDi2を、今回シマノセールスの協力を得て、雨の中ガンガン使わせてもらえました。いきなりの新品を土砂降りの雨の中いきなり投入して、スミマセン(苦笑
ですが、一番シビアなコンディションで長距離、連日乗ることでチョイノリでは分からない良さを実感しました。
不慣れなうちはシフトミス多発でしたが(汗、すぐに慣れてしまい、スパスパ気持良く決まるシフトがとても好印象でした。特に降りしきる雨の中、濡れたブローブで滑りやすいレバーを操作するのに比べて、指でスイッチを触れればパシッとシフト完了する様は感動的でした。つるつるなレバーを気を使いながら押し込み、雨で潤滑が落ち、巻き上げた砂などでジャリッと重く嫌な手応えのワイヤー引きの感触がないのは、なんともいい感じ。
その後、晴れの日のライドで、普段の自分のバイク、ワイヤーのシフトを使ってみるとアーこんなに手首や指を使っていたのかと、ワイヤーを引くという労力がどれだけ負担になっていたのか、を実感しました。
心配していた雨天での動作も極めて安定していて、自分のバイクにも付けたいな、と思っています。
もちろん、これをつけたから速くなる、という種類のものではないですが、大人のバイクには、余裕とスマートさが必要かと思いますので、ピッタリではないかな、と。

ルーベSL3に高性能ホイール、そしてDi2は、お気楽で快適なコンフォートバイクとは一線を画す、速く、長く、感触よく、スムーズに、というラグジーなバイク!是非、自分のライドスタイルを持つ大人に選んで欲しいバイクです。