それは、運動強度を上げる=頑張ることで上がるペースではなく、楽に持続できるペースで行った時に出ているスピードが上がっている状態です。
同じ強度で、より高いスピードを得ているということになります。
これは、体力的な向上というよりも、「進むために抵抗となる動きが減り無駄な力をかけなくなった」という動きの向上によるものです。
これはスイムトレーニングの心拍数データです。
前半は100m1’50”サークルx6本です。
以前は、このサークルはややキツい感じでこなしていて、1’43”~45”で戻ってきていましたが、
この時は1’40”で余裕を持ってこなせています。
心拍数も一定に揃っていて強度も、スピードも一定に、イコールでこなせせていたことが分かります。
後半の100mは1’40”サークルx6本です。
こちらは、一本目から心拍数は高くなっていて、2,3本と上がり、4,5,6本はLTを越えかなり追い込んだ状態まで高まっています。
ペースは、1’35”から入り、1’38”まで落ちるも最後は1’35”で戻れました。
体感的にも、1’40”より速く泳ごうとすると、リカバリー、入水、キャッチに余計に力がはいってしまい、より速く、より強く、してしまいます。
それが無駄な力となってエネルギーを消費、酸素を必要として呼吸が苦しくなり、息継ぎがラフになり、伸びて進む瞬間を削ってしまう、という悪循環となり、キツい割にはスピードが上がらない、
グーンと心拍数が高い状態になってしますのです。
頑張っているから、キツいからOK、ではないのです。
楽に出せるスピードを上げないと、追い込んだ時のスピードは速くはなりません。
楽になった分でセーブ出来たエネルギーを、より効果的にパワー変換できてこそ、追い込んだら分だけスピードが上がる、高効率な状態になります。
頑張っても、力んで、無駄な力を掛け、抵抗を増やしている状態は、非効率な状態なのです。
ランで見てみますと、前半4’45”~5’00だと楽に走れていることは心拍数からも読み取れます。
LT以下で、体感的にも楽に上手く走れていました。
後半は、キロ4’30”~45”にペースを上げました。
すると心拍数もみるみる上昇し、LTを越えてるところまで高まっています。
しかし、動きのコントロールも効いていて大崩はしていない状態なので、これはスピードと連動した心拍上昇だといえます。
(この時、気温と発汗が高まったのに比例して心拍数が上がったこともあります)
ただし、4’30”になると動きが付いていかずに、重心が後ろ足に残ってしまう感じがあります。
このように、あるペース、スピードまでは、動きが正確にコントロールできて、それ以上だと乱れ始めてしまう、という変化の時点を、自分では、動きの閾値と言っています。
この動きの閾値をいかに高めるか、が効率的な持久運動、バイク、スイム、ランを行う鍵になります。
自分では、スイムは上記、100m1’38”あたり、ランはキロ4’30”あたり、バイクでは300wあたりにこの動きの閾値があります。
この前後で”動きをコントロールして行う”トレーニングが、動きの閾値を高め効率的な動きを身につける効果手的な手段だと考えています。