2012年7月25日水曜日

ルーベSL4エキスパートを120km乗ってみて





積算標高は2000mを越えるアップダウンの120kmを実際に走って思うことを徒然と。

試乗会では、Sワークスモデルと直接比較できるように、乗り比べましたので、
その差が明確に分かりました。

コブルゴブラーという特徴的なシートポストは、自分自身、という重い荷物が上下に揺すられることを減らしてくれるので、結果的に、バイクの挙動の安定と、身体の受動的な負担を減らしてくれるでしょうし、ロヴァールのオールニューのカーボンホイールはWOながらチューブラーなみの乗り心地と、軽快な高い速度までの軽快な加速があり、それが装備されていないエキスパートでは、その差は明確でした。

反面、フレームのそのもの差は、スプリントのような最大加速をしたりしたわけではないので、正直、フレームからの印象がシャァーなのか、シャァァなのかという僅かな粘り感ということだけでした(ちなみにターマックSL4だとシャーです)。

このターマックに比べて、またSワークスに比べてのエキスパートの粘りは、下り、とくにコーナリングで生きてきます。

荒い舗装の農道、旧道の峠などの山道など、舗装路がヒビ割れていたり歪んでいたり、溝を切っていたりという荒れた路面のコーナーでも、
その通過速度に関わらず、トトッという微小なタイヤの跳ねも抑えてくれ均等なグリップ、路面をしっかりと捉えてくれている接地感がとてもわかりやすく、かつ、細かな振動をカットしてくれるので視線がブレることがないので安心感も得られます。

剛性の高いフレームでは速度域が高まるとバイクが安定して、路面からのフィードバック、バイクへの操作、荷重と抜重動作への反応、など瞬時に反応をしてくれてとても心強く、安心できます。
しかし、速度域が低いと、その硬さから、かえって路面の振動からホイールが弾かれるような感じで不安感を感じる方もいるのではないでしょうか。

振動、衝撃のオンパレードというべき、MTBでは、これをいなしていかに路面を捉え続けるかが、グリップを引き出し、結果的にスピードを得るための重要な要素です。タイヤが接地し続けることがバクのライディングの操作と速さを引き出すのです(ジャンプなど一部例外もありますが)。

そのためMTBでは、ライダーのライディングスキルはもとより、バイクもサスペンションを装備して、そのストロークや特性にて、それをカバーしています。

一番軽量で剛性が高く、スキルへの依存度が高いのがスタンプジャンパーHT、
リアサスペンションにブレインフェードを装備して、ペダリングに干渉せずに大きな入力の衝撃を吸収しくれるエピック、
140mmと長いストロークのリアサスペンションで、あらゆる路面の走破と、ペダリングの両立をバランスさせているスタンプジャンパーFSR、
という代表的な3機種があります。

程度の大小はあれ、これと同じことが岩や木の根で起こっているのか、路面のヒビ割れで起こっているのか、が、MTBとロードの違いです。

この対比をMTBとロードで行うと、
SL3時代は、
ターマックはエピック、ルーベはスタンプジャンパーFSR、
SL4の今日では、
ターマックはスタンプジャンパーHT、ルーベはエピック、
という位置づけのイメージになりました。

ルーベもSL4になると、パリ~ルーベに代表される路面の悪いコースで活躍する、レースバイクです。

集団の加減速に応答し続けるならばターマック、
空気抵抗の大きな単独での高速走行ならばヴェンジ、
自分なりに安定した速さを求めるならばルーベ、

自分自身が求める特性を選んでもらえればいいですし、Sワークスだけでなく、プロのフレーム、エキスパートの完成車を選ぶこともとても良い選択肢だと思いました。