2011年10月7日金曜日

MTB 29er レポート 序


MTBには、適切なフォームがとれ進むためのペダリングがしやすいフィット、荒れた路面でのトラクション、凸凹での路面追従性と衝撃吸収性、アップダウンやコーナリングでの俊敏なバイクコントロール、加えてレースにおいては加速性、も必要な要素として問われます。

それはホイール径が26インチでも29インチでもMTBである以上はなんら変わることはなく、バランスが出来ているかがどうかが重要となります。

ここ10年、26インチのみだったホイール径を29インチへ大径化したMTBが徐々に浸透してきています。モーターサイクルでは、ホイール径で特性を変えるということは往々にして行われる手法であり、大別して大きなホイール径は直進安定性と路面走破性、小さなホイール径は俊敏なコーナリング性能を狙っています。同じ2輪である以上、MTBでも同様の傾向を示します。

しかし、ホイールが大きくなったことでそれに応じてMTBを構成する物理的な、フレーム設計、サスペンション、ギア比、タイヤ、全てがそれにバランスしているとは言い切れない10年でもありました。

実際に、ここまで29に乗って得た印象は、直進安定性が高く、速い巡航性能で、段差が越えやすい、接地面が広くトラクションが高い、エアボリュームも大きく低圧で使える、というメリットは感じることができました。
対して、物理的な重さ、直進安定性が勝りすぎて、コーナリングが鈍くダルイ感じになる、シングルトラックなどで小回りが効かない、ペダリングへの反応と加速性が悪い、ハンドルポジションが適切にとれない、大柄で取り回しと足つき性が悪い、といったネガティブなことも感じていました。
それらはホイールが持つ良い特性を、バイク全体としてうまくバランスさせ昇華しきれていないという構成でもありました。

ですが、29ホイールでのMTBとしてのバランスを徹底的に追求してきたことで、全てが急速に整ってきたことを、実感しています。
MTB富士サマーキャンプ/エンデューロ、エクステラ、ダリアカップ/XCレース、SDA王滝120km、ジンギスカップ/XCレース と様々な状況を本気で走った結果から、それを感じます。

これら、イベント、レースを乗り込んでいるMTBはスタンプジャンパー エキスパート カーボン 29 というモデルになります。