2012年10月31日水曜日

2012 XTERRA World Championship Finish !

前日の津波警報というアクシデントがありながらも、
レースはスイムを含むフルフォーマットで実施されました。

そして、自分自身、無事にフィニッシュしました!


レイをフィニッシュで受けるのはIRONMANと同一ですが、
スタートからの内容は当たり前ですが、全く違います。

喩えるならば、IRONMANは”journey”旅であり、
XTERRAは”Roller coaster”ジェットコースターです!

じっくり歩を進めていくのに対して、めまぐるしく状況が移り変わっていくのです。



レース会場はスタート前から、人で賑わっています。

奥に見えるのが、トランジットエリアで、そこには世界中から集まった
XTERRAアスリートのバイクが主を待っています。



自分のナンバー46をつけたスタンピーの並びには、
世界チャンピオンにもなったSPECIALIZEDアスリートの
コンラッド・ストラッツがスタンバイしていました。

彼は昨年来日して、XTERRA丸沼を走っていまして、自分を覚えてくれていました。


お互いの健闘を誓い合い、固い握手!


彼のバイクはSワークス エピック です。

写真は、レース後の状態です。
コマンドポストがついていて下りもかなり攻めていくことが伺えます。


アッパーはトライアスロン用の着脱の容易なシステムでありながら、
足を保護するようにメッシュから素材が変わっていて、バンパーも装備。
ソールはMTB用、そのままです。

XTERRAは正直ニッチなマーケットかもしれませんが、
それでもSPECIALIZEDはそのニーズにあった最高のものを用意しています。

サイクリストのための Best Brand を目指すというポリシーが
ここXTERRAでも息づいています。

写真を見ると、その奥も”S”、そして”S”です。
バイクも、ヘルメットも、そして、このシューズもトップ選手からエイジまで、
とても多くのアスリートに選ばれていて驚きでした。



#31は今回優勝した、ハビエル・ゴメスのバイクもエピックでした。

シューズは、プロトのSワークスバージョンです!

ロンドン・オリンピックのシルバーメダリストにして
トライアスロン世界選手権シリーズチャンピオンに続いて、
XTERRA世界チャンピオンとオンロードもオフロードもいけるのです。

昨今のロードレースもそうですが、MTB、オフロードからロードに転向して大活躍する選手が
多いですし(MTB世界チャンピオンのクルハヴィは来季ロードに転向してしまいます)、
逆にロードが本当に出来る人はオフロードもいけたりします。

渦中のランスも、IRONMANはもとより、XTERRAも挑戦していました。
過去の事実はどうであれ、個人的に彼のチャレンジ精神には惹かれていました。

話はそれましたが、ゴメスのパフォーマンスは圧倒的で、
スイムをブッチギリで上がり、MTBはスペシャリストに、コンラッドに追いつかましたが、
ランでは再びブッチギリ、独走のフィニッシュです。

そのタイムは圧巻で、どうしたらそう出来るのか、まったく想像できない異次元ワールドです。

 スイム :19:05 バイク 01:29:54 ラン 00:37:51   トータル 2:26:50 

という驚愕のタイムなのでした。


自分のタイムは言うと、タイミングチップをスイムで失い、
バイクフィニッシュまでタイムが積算になってします。

後からリザルトで確認したタイムは下記のとおり、スイムバイクは推定のようです。

 スイム 32:55   バイク 01:41:16  バイク 00:47:15   トータル 3:01:26

細かいことはいずれにせよ、圧倒的な差に驚きであるとともに、
当然の差だとも理解しています。





さて、その自分のレースを振り返って行きましょう。

津波ショックから、朝からバタバタで準備をしていきました。

トランジッションにMTBを運びいれ、ボディマーキング、これがかんり待ち時間がかかり、
スイムスタートまでさらにドタバタに。息もつかせぬ準備で、スタート前には間に合いました。

スイムはプロが9時、その後1分後にエイジ男子、さらに1分後にエイジ女子というスタートで、
混乱を避ける配慮です。

スイムは浜辺から、号砲とともに波打ち際にダッシュ、波打つ海に突入していきます。
試泳の時と違い、いきなり波が高く強い!
津波の影響はないとのことですが、明らかに強く、レース後に話を聞くと日本ではスイムキャンセルになるレベルだとのこと。さすがXTERRA、アドベンチャーですね(苦笑

経験の浅い自分は、その波に翻弄されます。
ものの数秒~数分でプロの群れから置き去りになり、完全に一人旅。
こうなることは分かっていましたので、早くエイジグループに追いつかれて、
水先案内人になってもらいたいところ。

今回はスイムは1500mをM字形状に泳いできます。第一ブイまでいったら折り返し、
一度陸に上がり、第2ブイを目指し、折り返した後にT1に向かいます。

第一ブイまでおよそ375m、その半分くらいでエイジに追いつかれました。
後に着きたいところですが、速度差がめちゃめちゃあるので、全く追従できません。
それでも、ブイの方向はその流れでわかりやすくなりました。
なにせ、波が高く、タイミングによると部位はおろか、前泳者さて確認できないほどなのです。

それでも、過去のIRONMANセントジョージの荒波にもまれた経験から、
スピードは出せませんが、落ち着いて状況に身を委ねることが出来ました。
波のアップダウンに身を巻かれながらも、ジリジリと進み続け第一ブイをターン。
距離感も、コナの3.8kmワンウエイに比べれば短いものですから。

ブイをターンするときには、離れれ泳いでいたところから一気に集まりまとまるので、
密集度が上がります。
このターン途中で、脚をグッと掴まれました。そして、グーッと引っ張られた感触が
スッと抜けるときに、足にあったタイミングチップが皮膚に接触していた感触も失われました。

あ!

っと思ったけれども、為す術がありません。水中で事由自在に潜ってとりに戻るなんて芸当は
出来るはずはありませんし、見つかるとも限りません。
ままよ、と、そのまま一時上陸ポイントを目指します。
このままリタイアになったらどうしよう、などと不安もよぎりますが、まずは泳ぐことに集中します。

往路も波の影響が強いです。後ろからグワっと身を持っていかれると、
身体の向き、進路が変わって、なかなか真っ直ぐに進めないのです。
ちょこちょこヘッドアップして進路を確認しますが、その度々に海水が口に侵入してきます。

くおーっと叫びたくなりますが我慢して陸を目指し、まずは半分をクリア。陸に近づくと波が強く、
足をついても、身体がなぎ倒されそうになります。

ビーチランで、次の泳路に向かいます。
フラフラしながらも、あたりを見回しオーガナイザーを探します。

おお!丸沼でお会いしたXTERRAのプレジデント、ジャネットさんを発見!
慌てて事の顛末を説明しました。
そうすると、大丈夫だから先に向かって!と励まされ、第二ブイに向かって
波に飛び込んでいきました。

この頃には周りには追いついてきたエイジ女子が多く見られ、概ね同じペースで進めるようにもなってきました。
しかし、波は強く、高くなる一方で、速度があがるわけではありません。

波に揉まれ流れにも翻弄されながらも、手元の時計では30分とほぼ想定でスイムアップ、
ヨシ!とT1に向かって走っていきます。

T1に入ると、スタッフがチップを持って待機してくれていました!
そこでチップを付け替えますが、その装着バンド、ハトメが弱くはめた勢いでポロっと抜けてしまいました。
ああ、これならば、引っ張れば取れてしまうな、と妙に納得(苦笑
もう一度もらい直して、付け直していきます。

結局トランジットで5分くらいかかり、タイムロスしましたが、これで記録が残ります。

XTERRAのホスピタリティに感謝しつつ、得意のMTBへ!



写真の通り、MTBはアクションの連続です。
同じエンデュランススポーツながら、エアロフォームを保ち、
ケイデンスを維持し続けるIRONMANとはかなりの差があります。

パイナップル畑と、ゴルフコースとして使用されていたプライベートな土地を
思う存分走り回るバイクコースは、生粋のマウンテンバイカーには
イージーコースと言えますが、それでも速く走るテクニックが随所に必要になります。

昨年はジープロードメインで単調でつまらないと評されたコースですが、
今回は木々の間を縫って走るシングルトラックを前半に多く配置して
間延びを抑えていて、アップダウンとコーナーを繰り返していきながら登頂していきます。

コースは秀逸ですが、スイムで出遅れた自分は前走者の分厚い壁に悩まされました。
結果的にスイムアップしてから300人くらい抜いた計算になりますから、
その追い越しの苦労が伝わるかと思います。
これは、スイムが遅い自分の責任なのです。

楽しいコースもスキルの差でスピードの差がかなりついてしまい、
あっと言う間に追いついてペースダウン、追い抜けるところまで待って
4~6人をまとめてゴボウ抜きをくり返していきます。

トラクションが甘くなる砂地上りでは、自分は乗って行けるのですが
前の一人がつっかかるとドミノ倒しのように全員止まって足をつくはめになります。
XTERRAではソックスを履かずにMTBシューズを履くので、
砂が入ると不快なので余り歩きたくはないのですが、
これもまたXTERRAの醍醐味、ホントワイルドです(笑

多くのアスリートを抜いていきますが、いろいろなタイプの人がいます。
老若男女、上半身裸なの人から、日焼け対策のスリーブをつけた人、
ハイドレーションバックを背負ったり、トライスーツだったりと千差万別で、
自分に合わせた装備チョイスがXTERRAの面白いところなのでしょうね。

ひとしきり登ると、両側が崖の稜線を渡り(YOUTUBEのレースダイジェストの
ヘリの映像を見ると爽快ですよ)、一時のダウンヒルへ。
豪快にハイスピードでジープロードをかっとびます!
速度は体感では、オンロードなら80km、実際は50km位だと思いますが、
振動で震えるバイクを時には遊ばせ、時には押さえ込み、
まるでダイブするかのように紺碧の海を見下ろし砂塵舞うストレートを下っていきます。

下りがこのまま続いたらサイコー!と思い始めたところで、
おもむろにコーナーを抜けるとそこからまた上りです。

さっきの上りで、あそこまでは登らないよね、と見えていた
吊り橋まで上り詰めていきます。
路面はジープロードメインになるので、追い越しは苦にならないのが幸い。

ガンガン抜いていくと、周りはかなり速そうな体型のアスリートばかりになります。
プロの女子にも追いついては追い越しを繰り返していきます。
さすがにプロ男子にはなかなか追いつきません。
プロともなれば、スイム、バイク、ラン、どれも抜かりないですから。

エイジだと、どれか速いと、とくに時間の長く速度の高いバイクが速いと圧倒的に
有利になりますが、プロでは全てが自分よりも速いので、勝負になりません。
まあ、今の自分ではこれが精一杯なのですが。

上りとはいえ、一瞬の平坦区間で速度あげてシフトアップしていくことで、
上りを惰性で登れるようになり、この勢いをつけて上る、というの技術が
29で速く走るにはとても重要です。
一定ではなく、ある程度の速度まで一気に乗せていくこと、これを徹底します。

中盤の最高標高地点を登れば再び一気呵成のダウンヒル!
時折、コーナーが深かったり、ガレ場を抜けたりもしますが基本的には
広いジープロードです。
ハイスピードで下るので、そのなかでも最良なラインを選ばないとスリップや
パンクの可能性もありますから、絶えず先を見渡し先手先手で動いていきます。
バイクにしがみついてじっとしている場合ではありません。

コースも終盤になり、街の近くまで降りてくるとハイウエイをかすめてから
登り返します。
緩斜面のジープロードなのですが向かい風が強くインナーに落として
ケイデンスを高く保ちます。
もうすぐトレランにトランジットなのでラックスもさせつつ、脚をリズミカルに動かして
ランのピッチで足運びをしやすくさせつつしていくのです。




一瞬の激坂ハイクアップを経て、楽しいシングルトラック、ちょうどバイクの
コーナーリング半径に合わせたアールで作られ連続したコーナーでハンドリングが
小気味よく、MTBを満喫したところで、いよいよトレイルランニングにトランジットです。

ちなみに今回のゼッケンベルトはGPSセンサー付きのものがプロと
一部トップエイジに配布されて、これいよりバイクとランでは、
選手それぞれがどこに位置しているのかが、メイン会場のモニターや
世界中のPCでもリアルタイムで見れて、展開も楽しめたそうです。
これは一部始終を見渡せないアウトドア・スポーツでは画期的な取り組みですね。

トレランは試走をしたかいがあり、スムーズに足を運んでいけました。
ただし、バイクでは曇って涼しかったのですが時折差し込む強い日差しの中、
上っていきますので熱中症に注意して、1マイル毎のエイドで頭と脚を
冷却しながら走り続けました。

上りでは小刻みにピッチを保ち、下りでは体の下の着地を意識して
スピードを保ちます。
それでも、バイクでは誰にも抜かれなかったのですが、ここでは上りでも、
下りでも、数名ずつに追い越されていきます。
ランもまだまだ課題が多いです。

上りのピーク付近でプロ選手がペースダウンで歩いていてパス、
そこからの下りではいいスピードで追い越されました。
すかさず後ろにつけ、千切れそうな中ギリギリ視界に入るように
踏ん張ってついていきます。
ライン、スピード、足運びを見よう見まねで保ち、不慣れな下りも
自分だけでは維持できないペースで下っていきました。
後半に現れる急な上りの舗装路も何とか歩かずにクリア、そこから
山肌の斜面のスイッチバックを下り、ハイウエイをくぐり、林を抜けるとビーチへ出ます。

ゴールまでのビーチランを、重い足取りで砂にとられつつもこなして、
最後の急坂に息も絶え絶えながら、無事にフィニッシュ出来ました!




iPhoneでもこのように通過タイム、ライブタイミングを確認することが出来ます。

アスリート、それを応援する家族、友人のためになる新しい試みの一つですね。

XTERRAワールドチャンピオンシップはワイルドながら先進的な取り組みもしつつ、
ホスピタリティに溢れ誰にでも門戸を開き、大自然を満喫しながらも高級リゾートで
華やかでもあるなど、魅力のオンパレードなのでした。






百聞は一見にしかず、このムービーを是非御覧ください。

ここで泳ぎたい、乗りたい、走りたい!参加したくなりますよ~

来年の8月丸沼でのXTERRAジャパンで是非スロットをゲットしましょう!