2010年12月28日火曜日

教えることから学ぶこと

コーチングやティーチングをする機会は、実は現役時代、それもサラリーマン選手だったときからですから、1998年から行っていました。

当時、雑誌ファンライドでの連載企画でMTBレースを女性が目指すというないようで、全くの初心者からレースで入賞!までしてもらいました。
このときから、自分の選手として目覚しく向上をしていきました。
この方に教えるために、
1)自分は何をやっているのか
2)相手は何が足りないから出来ていないのか
3)それをどうやったら伝えるのか
というシンプルな3つの要素を、
しかしながら、結果を導き出す全ての要素に当てはめ、
丁寧に教えていきました。

こうすることで、結果を引き出すことが出来ましたし、じつは、この過程が自分自身の学びになったのです。

自分がやりたいことにたいして出来る仕組み、それが出来ない仕組み、がわかれば、出来るように自分自身に分かるように教えてあげる、ということを日本チャンピオンになるまで、いえ、今も継続して行う、思考方法になったのです。



これはポラールサイクリングアカデミーでトレーニング基礎を説明するときに使っている図です。

心拍トレーニングといっても、心拍という数値を計っているから、それだけを鍛えているわけではありません。このような流れの中の、全てを鍛えていかねばならぬ中で、指標として活用してるのが心拍数なのです。

数値の持つ意味を知らぬ人が、それを教えることは出来ません。しっかりと自分は今でも、人に教えることで、より自分の理解を深くする学びの機会を得ています。

人に教えること、それは自分の出来ていること、知識、技術、成果、を見せびらかす、自慢する、誇示する、ということではありません。

俺は出来る、お前は出来ない、俺みたいになれ!というのは教えでも何でもありません。

自分が出来ることが能力なのではなく、相手が出来るようにすることが教える側の問われる能力です。
これを理解していない、先生、コーチ、先輩、監督、といった指導者のなんと多いことか。

出来ないのが悪いのではなく、出来るようにしなかった自分が悪いのです、指導者であるならば。


そのためには、何が達成を拒む要因なのか、を上記全ての要素から、見つけ出さなければなりません。そしてその答えを指導する側は持ってはいないのです。

その答えは教えの相手の中にしか存在しないのです。


この件に関しては思うことが多いので、また書きます。