2012年5月24日木曜日

サドル角1度の差

最近BG FITでは、トライアスロンに向けたフィッティングの機会も増えてきました。

先日は、ロードバイクのベーシックなドロップハンドルに、エアロバーを装着して、
オリンピックディスタンスに参加された方が、30分と大幅なバイクタイムの
短縮を果たされました!
そして、2台目によりトライアスロンに向けたエアロハンドルセットでのBG FITに
再訪して頂きました。


これはフィット後の状態です。
ハーフIRONMANを目指されるということで、エアロなDHポジションで走り続ける、
ということを目的としています。
とはいえ、フレームはロードバイクのそれなので、シート角とピラーの都合上、
ここまでしかサドル位置を前に出すことができませんでしたが、
股関節の柔軟性の範囲内で前傾角をセットしてありますので、
物理的な制限の中で、身体に無理はかけないようになっています。

これで”ほぼ”完成なのですが、しばらくレースペース近くで漕いでいてもらうと、
サドル前部が圧迫される感じがすると、仰られました。


そこでサドルの上面を水平から前下り0.5度から1.5度に微調整したのが、
こちらの最終仕上がり状態です。

痛みの出そうな圧迫は皆無となり、そして小さいけど大きな変化が現れました。

動画からみる動きでは、最終仕上は、カラダ全体が安定してリラックスしてスムーズに
ペダリングを維持できています。

その前の状態では、やや上背部、肩周りに筋力による力みとブレが見られて、力ずくで
姿勢を保っているように見えます。

実際に肩、腕でも筋力負担をしていたそうです。



動画ではわかりづらいかもしれませんので、静止画でさらに比較します。

左が最終、右がその前です。

腰の角度、背中のアール、それらを背筋で持ち上げている力みが右にはありますが、
左のサドル圧迫と痛みがない状態では、その力みも取れて、
すっと自然な背中のアールになり、前傾角もより深くとれています!

わずか1度の差が、圧迫と身体の負担を減らしてくれるのです。

しっかりと漕いで、そしてライダーとの双方向のフィードバック、コミュニケーションをもって、
より完成度の高い仕上がりを目指すのがBG FITです。

けっして、機械や計算では成し得ないマンツーマンのメソッドなのです。


このアスリートの方から、後日談としてのコメントも寄せて頂きました。

「実は実は昨日スイム2000m⇒バイク50km⇒ラン10kmと続けたのですが、、、驚きの結果に! 河っぺりバイクの自己ベスト大幅更新です。下腿三頭筋にも響かず、ランにスッと行けました!(^^)!」

というこように、決してバイクのペースアップは体力消耗してしまい、
ランタイムとのトレードオフの関係となるのではなく、
無理のない姿勢とペダリングの洗練というバイクの向上は、ランのペースアップ、
そしてトータルパフォーマンスアップに効果的なのです。