いよいよ発売になりました、VELO MAGAZINE (ベロ・マガジン)!
自分の著書、バイシクルトレーニングブックと同じ、
べースボール・マガジン社からの出版になります。
自転車関連は後発の出版社とはいえ、スポーツ畑での一流ですから、
筋の通った、論拠のおかしくない内容しか掲載しないという、
信頼のフィルターを通っています。
ツールを特集した構成の中でも、自分が気になったのは、
後半に掲載されている、選手のレースへの取り組み、
とくにTTのトレーニング、空力、ウィークポイントの解消策、
そういった今自分が広く、多くの方々に伝えているような
ことを裏打ちしてくれるような記述が多く踊っていたことです。
詳細は、VELOを読んでいただくとして、トピックをいくつか。
こちらは、昨日のSPECIALIZEDコンセプトストアでの
BG FITにこられたお客様のビフォーアフターを重ねた画像です。
ロードバイクに乗っていて、今度はトライアスロンに挑戦!
ということで、前乗りシートピラーとエアロバーをつけたそうですが、
サドルを前に高くセットして、バーとの落差を大きくとり、
乗っていたろころ、首、肩、背中、腰、全てが痛みで耐え難く
フォームが維持できないとのことでした。
そこで、柔軟性を考慮してサドル位置とバー位置を修正して、
時間がかかりましたが、結果的にノーマルのシートピラーに戻して、
楽にペダリング、とくにアップストロークが出来て、フォームも維持できる、
フィットを実現しました。
VELOには、アンディ・シュレクも同様のアプローチで改善させたとあります。
その結果は、画像が濃い部分、頭の低いほうがアフターで、
サドルが前で、落差が大きいビフォーのほうが、頭の位置が高く、
前述カラダの負担が大きかったという事実。
VELOには、ホイールを変える効果が数値的に何ワットのセーブ、
そしてフォームを整えることで得られるワット数は遥かに高い、と
いう記述がありました。
これも、まさにその効果を得られています。
バイク単体で見てエアロを語っても、実際は、
75%はライダーが抵抗になっているので、
どこにアプローチしなければならないのかは、
誰でも分かることでしょう。
もちろん、同じフォームが取れるのであれば、
後は機材で詰めて行かなければならないので、
フレーム、ホイール、ボトル、ウエア、
そして突起している頭の空力に効果的なヘルメット、
これらで極めて行くしかありません。
そして、さらに検証してみました。
フィットしたアフターの同じバイクでも、
腹筋群を動員した姿勢、BTBでも言っている
骨盤の安定をさせたフォームが左、
右はその動員を抜いてしまったフォームです。
意識一つで、これだけ変ります。
楽にフォームが取れるとはいえ、いままで動員していなかったので、
維持するための筋力は鍛える必要もあります。
まずは、意識して乗りつづけるだけで十分鍛えられるでしょう。
VELOには世界トップの選手だと、TTフォームを維持するのに、
胴や背中、大腿部などの特定の筋肉のウエイトトレーニングも
取り入れているとあります。
また、腰の安定と、首と横隔膜の働きを良くする施術を
レース前に受けるとありました。
つまり、腰の安定、呼吸の確保が、重要ということなのです。
これもBTBで言っています。
結局、機材スポーツとはいえ、人間が行なっている以上、
その人が何をやっているかがパフォーマンスの根源的な要素です。
自分が動きやすいように道具をあわせて、自分のカラダを使いこなしていくこと。
また、必要な部位、BTBでいう制限要素、は積極的に鍛えていくことです。
VELOのトレーニングの極意では、下ハンドル~の記述の中で、
前傾に耐えうる筋力持っているかは、骨盤が安定して動かないかどうか、
体力のベースがなく、重いギアを踏み続けると背筋を痛めるリスクがある、
とありました。
源流である本場が、大事な根っこの部分を共通理解として持っていたら、
そこで育つ選手の多くが高いレベルに、当然のごとく育つでしょう。
誰々の真似をした背中を丸めたフォーム、背中を伸ばしたフォームなどと
自転車のフォームは造形ではなく、求められるは運動としての機能です。
自分はそれを、多くの人に自転車の乗りこなし、
ライディングスキルとして伝えていけるように制作を進めています。
カラダを動かし、使いこなして、バイクに適切に乗る、
カラダの動きに主体を重きをおいた、
わかりやすい本を目指しています。
9月出版予告がされてしまったので(汗
ただ今佳境に突入していますが、
引き続き妥協無く、取り組んでいきます!